歯肉炎の症状と原因

■歯肉炎の症状
 歯肉炎は、歯周病のなかでも軽度の症状のもの。歯茎が炎症を起こし、赤く腫れたり、歯磨きなどで出血したり、痛みを感じたりするものの、歯周ポケットが3mm以内で、歯槽骨の破壊が起こっていない症状であれば、歯槽膿漏ではなく歯肉炎(軽度歯周病)となります。甘いものをよく食べる人、思春期や妊娠中の人は歯肉炎にかかりやすいですが、この程度の症状の場合、細菌の進入は歯肉部で止まっているため、正しいケアをすれば、ほとんどが完治します。しかし、このまま症状が進むと、歯槽膿漏(中等度歯周病・重度歯周病)になってしまうので、油断しないように注意しましょう。
■歯肉炎の原因
 歯肉炎の原因には、歯垢などが原因の単純性歯肉炎と、全身からくる複雑性歯肉炎があります。複雑性歯肉炎には、妊娠性歯肉炎、急性壊死性潰瘍性歯肉炎、慢性剥離性歯肉炎のほか、狭心症やてんかんの薬の副作用による歯肉炎もあります。薬の副作用について、もう少し詳しく説明すると、てんかん発作に使われる治療薬フェニトインは歯肉組織の異常増殖を招く薬のため、歯肉炎の原因に。また、血圧と不整脈の治療薬ニフェジピンや、臓器移植を受けた人の拒絶反応防止薬シクロスポリン、経口避妊薬が歯肉炎の原因になることも。薬以外の歯肉炎の原因としては、ほかにビタミン欠乏、ウイルス感染、真菌感染、白血病、更年期などの影響も考えられます。

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歯肉炎の治療法と再発予防

 歯肉炎の症状は軽度のため、毎日の正しい歯磨きと、生活習慣の改善によって治療することができます。ただし、これまでずっと間違った歯磨きをしていた場合、歯垢や歯石がたまっていることが多いので、歯科医にチェックしてもらい、歯垢や歯石の除去と、正しい歯磨きの方法、さらに生活習慣の指導を受けるのがおすすめ。多くの歯肉炎は歯垢などが原因の単純性歯肉炎なので、これらのケアができない場合、せっかく治っても再発しかねません。
■歯肉炎を治療する正しい歯磨き
 歯の付け根と歯ぐきの境目に歯ブラシの先端を45度で当てて小刻みにブラッシングする「バス法」が奨励されています。歯肉に出血がある場合は、柔らかめの歯ブラシを使い、出血しなくなったら、様子を見ながら普通の硬さに替えていきます。歯ブラシで取れない歯と歯の間は歯間ブラシを用いましょう。1〜2週間で治療効果が現れますが、もし変化がない場合や、悪化する場合は、改めて歯科医に診てもらいましょう。
■歯肉炎の再発予防
 毎日の正しい歯磨きと、歯肉マッサージ、歯科医での定期的な歯垢・歯石除去が効果的。さらに、歯肉炎予防の薬用マウスウォッシュなどを併用すると、歯垢に潜む細菌を抑える薬用成分や抗炎症成分が、歯肉炎予防をサポートしてくれるので安心です。歯肉炎は必ずしも痛みを感じるとは限らないので、気付かずに症状を進行させてしまう場合もあります。歯茎に違和感を感じたら、早めに歯肉炎ではないかチェックして、予防と治療を心がけるようにしましょう。


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