証券会社の遺言信託について

証券会社が販売している遺言信託について説明。
信託代理店の解禁や、信託法との違い、三菱UFJ信託や中央三井信託と提携する証券会社についてもご紹介します。

遺言信託「信託代理店」の解禁と信託法について

■遺言信託の信託代理店を証券会社などに解禁
　遺言信託とは、三菱UFJ信託や中央三井信託などの信託銀行が行う遺言の作成・執行に関するサービス。遺言の作成をサポートしたり、遺産の分配や口座の名義書き換えなどの施行を請け負ったりします。この遺言信託については、2004年より証券会社の「信託代理店（代理販売や事務代行）」が解禁され、2008年には生命保険や損害保険会社にも信託代理店が解禁されました。
■証券会社の「遺言信託」と、信託法の「遺言信託」について
　信託銀行や証券会社の提供商品「遺言信託」は上記のとおり、遺言の作成に関するコンサルティングや遺言書の保管、遺言の施行の有料サービスを指すもので、信託法の「遺言信託」とは別ものです。信託法の遺言信託とは、遺言によって、財産の運用・管理を託して譲渡する「受託者」と、財産の運用・管理によって得られた利益が渡される「受益者」を取り決めること。財産の使い方や、受託者の権限を遺言者が自由に定められるので、財産を公益的に活用したい場合や、遺言者死後の親族の状況などに応じ、受託者の裁量によって財産の使い方や処分方法を決定することを望む場合などに活用されます。